昭和40年(1965)、旧文理学部改組の際に、交付された機関研究の経費によって多くの書籍が購入され、当該の絵図類は、その一環として購入されたもので、東京の古書店からの購入であることが確認されている。

阿仁鉱山二ノ又山鋪図

阿仁二ノ又鉱山の山支配人伊藤真楽が秋田藩山役人の杉原源之助へ進上した同山絵図である。鋪すなわち坑道図であるが、大楯(おおたて)・砒(ひ)などと称される銅鉛の砒通(ひどおし)(鉱脈の分布状況)が朱線で図中に描かれている。嘉永6年如月(1853年2月)に鉱山改めを行った際に作成され、文久3年に藩へ進上されたと推定される。年代が判明し、図によって近世後期の阿仁二ノ又鉱山の状況が把握できる点で貴重な絵図である。
文久3年(1863)、69.6×54.2cm