昭和40年(1965)、旧文理学部改組の際に、交付された機関研究の経費によって多くの書籍が購入され、当該の絵図類は、その一環として購入されたもので、東京の古書店からの購入であることが確認されている。

阿仁鉱山一ノ又山鋪図

一ノ又山鉱山の鋪図である。図中に御台所(おだいどころ)(藩政時代の鉱山事務所)が柵とともに描かれており、鋪口(しきぐち)(坑口)と各坑夫の家々が描かれている。四角の朱線で記された箇所には、本来は地名などが記入されるはずであったと思われるが、空欄になっている。したがって、当絵図は未完成の状態であった可能性がある。また、坑口が多数描かれその上に朱線で砒通(鉱脈の分布状況)も同様に記されている。図の右端には森吉山と同山に至る「森吉山道」が描かれている。
藩政時代、77.5×57.4cm